I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
” …いいですか?犯人は西園寺詩織と仮定したとして、恐らく、私と三ツ谷先輩の連れも来るなんてあの女は想像していないはずです。
だから、私か君が先に礼拝堂の中に入る。
で、あの女が私達に気を取られてる隙を見て、三ツ谷先輩が凛子さんのこと救出。
西園寺詩織と中にもし他の奴らがいれば、私と君でぶっ飛ばす。
あくまでも三ツ谷先輩は、凛子さん優先して下さい。
………え!?!?女前にするとフリーズする!?!?
はぁ!?!?使えな!!!ポンコツ!!!
…三ツ谷先輩、相手わかってて何でソイツ連れてきたんですか!?!?
つーか、何で私は大丈夫なんだよお前!!!
はぁ姉ちゃんみたい!?!?
っざけんなテメェ!!!”
そして、つい先刻の藍沢さんの言葉を想い返していれば、バタンッと遠くで勢いよくドアが開く音がした。
俺はギィッ…と軋む扉を静かに開けて、中の様子を覗き見る。
そうすれば、衝撃的な光景に目を見開いた。
「……ッ!!!……アノヤロー…絶ッ体ェ許さねぇ…」
献呈台のようなところに張り付けにされている椿木さん。
天井を向けて寝かされているせいで、顔までは見えないが、月明かりに照らされた頬には涙の跡が無数に光っていたし、両掌からはドクドクと真っ赤な血が流れ落ちていた。
背後の扉が蹴破られた音を聞いて、血に濡れたナイフを右手に、後ろを振り返る詩織さん。
「…………あれぇ?誰、アナタ?外にいる奴らのこと、みーんな倒しちゃったの?」
驚いたように目を見開く詩織さんと、そんな詩織さんを睨みつけながら、ゆっくりと詩織さんと椿木さんの元へと近寄っていく藍沢さん。
「………ん゛ん゛…ん゛ッ!?」
ゆっくりと頭を傾けると、椿木さんは驚いたように目を見開いて、近寄るなとでも言うように首を横に振った。
俺は一先ず、彼女の息がある事に安堵を漏らす。
「……藍沢ミズキ、あんたと同じ中学に通う後輩です。」
「…へぇ、この子の知り合いってとこ?……ねぇ、隆くんは?一緒じゃないの?」
藍沢さんの言葉に、不思議そうにキョロキョロと辺りを見渡す詩織さん。