I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
そして、俺はだらしなく緩みきった口元にカツをいれると、
「………続きは、全部終わらせてから俺の口から直接ちゃんと言うから。
あとは俺に任せてちょっとだけ待っててくれねぇ?
…たまには俺にも、好きな奴の前でくらいカッコつけさせてよ。」
なんて笑って、椿木さんの顔を覗き込んだ。
そうすれば、まだ涙で揺れている大きな瞳がこちらを見つめ返す。
「…………返事は?」
そう言って椿木さんの綺麗な澄んだ目元に溜まった涙を掬えば、椿木さんは涙に濡れた顔で、コクンコクンと小さく首を縦に振った。
ポロポロと零れる涙を小さな手で拭う姿が愛しくて、
「………なぁ、こっち見て。」
俺は、潤んだ瞳をこちらに向けた椿木さんの柔らかい唇に、もう一度だけ、触れるだけの優しい口づけを落とした。