I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
穏やかな波が寄せては消える波打ち際、
どこまでも続く宵闇の中で2人きり。
君の温かくて優しい愛を全身で感じてるから、
例え、このまま世界が滅んだとしても構わない。
心地よい波音と優しい月の光に包まれた私達は、そっと夢見心地にまどろんだ。
暫くして、どちらからともなく唇をゆっくりとはがせば、少し熱を帯びた視線と視線がぶつかる。
今まで感じたことのないような幸せな感情に身体中が痺れて、私は大粒の涙で頬を濡らした。
「……んなことされっと、俺、期待するけどいいの?」
「……タカちゃんがこれまで私にしてくれた2回分のキスのお返し。
……私も、好きとか愛してるとか、そんな言葉じゃ足りないくらいタカちゃんのことが恋しくて大切だから…
…どうしようもないくらいすきだよって、言葉よりも早く伝えたくて。」
涙でぐちゃぐちゃな顔で微笑めば、タカちゃんは、
「………バーカ、心臓止まるかと思ったわ。」
なんて言っては照れたようにはにかんで、私の華奢な身体をギュッと強く抱き寄せた。
久しぶりに感じるタカちゃんの温もりと、トクンットクンッと耳に優しく響くタカちゃんの胸の鼓動。
それから、私を包み込む大好きなタカちゃんの少し癖のある甘い香り。
そんな欲しくて欲しくてしょうがなかった温もりに身を委ねていれば、温かな涙がとめどなく零れ落ちて、タカちゃんの特攻服の胸のあたりを濡らしていく。
そして暫くして、
どれだけ私がタカちゃんを想ってるのか、やっぱり言葉でもちゃんと伝えたくなって、私はゆっくりと口を開いた。
今まで言えなかった幾つもの想いを、今、タカちゃんに届けるよ。