I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
「……きっと椿木さんが思ってるよりもずっと、俺は椿木さんのことがすき。…初めて逢った時からずっと。
…椿木さんは、俺からしたらもう充分カッケェ女だからさ、
そうやって椿木さんが孤独とか痛みとか全部一人で抱え込もうとすんなら、俺はその痛みごとひっくるめて椿木さんのこと抱きしめてやれるような男になるよ。
…椿木さんがしんどい時に傍にいるのも、椿木さんの涙拭うのも、
全部全部、俺だけの役目になればいいって…
俺はずっと大真面目にそんな事ばっか考えてんだ。」
そして、そんな言葉がタカちゃんの口からポロポロと零れ落ちれば、身体中から激しい愛情が痛いほどに溢れ出した。
「……だから、椿木さんん゛!?!?」
そして、
押し寄せる感情の波に堪えきれなくて、私は思わず、タカちゃんの綺麗な唇に自身の唇を重ねた。
少し背伸びして感じた、柔らかくて温かな感触。
それは私の胸を、心を、これでもかという程に熱く燃やした。
募りに募った切ない想いとか、ゴメンねって気持ちとか、お互いの気持ちが通じた時に初めて知った喜びとか、溢れるほどの愛しさとか………
そういった全ての感情を言葉で伝えるには、あまりにも時間が足りなすぎたから。
たった一度のキスに、伝えたくてどうしようもない言葉とか想いとかそれら全てを乗せた。
「………バッ…カ!いきなり何すんッ…!!!」
真っ赤な顔して目を見開いたタカちゃんの頬に優しく手を添えて、別の角度からもう一度だけ優しく口づける。
…きっと言葉じゃ伝えきれない想いがあったから、
タカちゃん、君はあの日あの時、キスを落としたんだね。
…ゴメンね…今までそんな事にも気付いてあげられなくてゴメンね。
そんな贖罪の意味も込めて、たった一つの優しいキスを君に。
切ないほどの愛しさを言葉よりも早く、早く、君に届けたくて。