I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
「………オイ、オイオイオイオイ、オイオイオイオイオイオイオイオイッ!!!!!!」
「…何ッだよ、いきなり耳元でうるッせぇんだよ、ペーやん!!!」
「…馬鹿!!!パーちん、あれ見えねぇのかよ!!!」
夕暮れ時、少し寄り道してから帰る帰り道、
薄暗くなった墓地の中、一人佇んでいる色白な女の姿がぼんやりと浮かび上がっていた。
その女の姿を確認すると、2人はサッと血の気の引いた顔を見合わせる。
「………え゛!?……オイ、やべぇじゃねぇかよ…見ちまった…俺ら見ちまったのか?!なぁ、そうだよな、オイ!!!」
「……こんな暗い時間に墓参り来る奴なんか、フツーいねぇだろ!!!」
「………ぺーやん…どうするよ、このまま逃げた方がいいのか?それともやっちまうか?!」
「ほんッとーに、パーちんって馬鹿だな!幽霊相手にどうやって戦うッつーんだよ!!!」
早いとこずらかろーぜ!そう言って後ろを向いたぺーやんをパーちんが呼び止める。
「……ぺ、ぺーやん、もう手遅れかもしんねぇ。」
「…あぁ゛?!」
「…だって…だって…アイツ…こっち見て手振ってねぇか?……あぁ、ダメだ……俺らもう…死ぬのかもしれねぇ。ごめんなポチ…ごめんな母ちゃん……」
そう言ってパーちんの指差す方をぺーやんがゆっくりと辿る。
そうすれば、先程の青白い女がニコリと綺麗な笑みを浮かべながら2人の元へと駆け寄ってくるのがぺーやんの目に入った。
「「…ギャ―――――――――ッ!!!!こっち来んなぶッ殺すぞテメェ!!!」」
パーちんとぺーやんは思わず2人で身体を抱き合った。