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I don’t want to miss a thing.

第1章 …I'll be there for you.



「……でもね、もう心配しないでいいよ。

みんないなくなっちゃって本当に悲しくて辛くて寂しかったけど……失くしたものの代わりに凛子はとっても大切な人に巡り合えたよ。

タカちゃんって言ってね、

強がることに疲れた凛子のこと、バカだなって優しく笑って抱きしめてくれるような男の子なんだ。

たまに意地悪するけど、本当に優しくて、頼もしくて、一緒に居ると心がジーンってあったかくなるような、そんな男の子。

涙も出ないくらいに寂しくて悲しくて、どうしようもないくらいに孤独が凛子の心を支配しようとする夜を、優しく照らしてくれるような男の子。

どうやって生きていけばいいかわかんなくなりそうな時は、優しく手を取って大丈夫だって笑いかけてくれるような、そんな素敵な男の子。

凛子には勿体ないくらい、かっこよくて、本当に大切で大好きな男の子。

…だからもうね…凛子は独りじゃないんだよ?

…だからもう…安心して天国にいっていいからね。

凛子は、2人の分も沢山泣いて笑って幸せになって、お土産話沢山持って後からそっちに行くからね。」


そう言って私は微笑むとグッと空高く両腕を伸ばした。


「………2人のおかげで、やっぱり、もう何も失いたくないって、失わないためには逃げてばっかじゃ目を背けてばっかじゃダメだって、そう思えたよ。…ありがとね、お姉ちゃん、ユキ。」


そして、私がそう言って目の前の墓石に笑いかければ、凍えそうな寒い冬空の下、ふわりと温かな風が頬を撫でていったような気がした。

そんな優しい感覚にもう一つ笑みを零す。

私は暫くその場で、2人の大好きだった優しい歌を口ずさみながら、ただ時が過ぎていくのを楽しんだ。



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