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I don’t want to miss a thing.

第1章 …I'll be there for you.



「椿木さん、今日飯は?」

「んー、どうしようかなぁって思ってたところ。」

家の前の通りを走っているところで、三ツ谷くんが今晩のご飯について尋ねてくる。

今日は帰ってからスーパーにいって適当に作ろうと考えていたので、ノープランであったことを告げる。

「じゃあ俺ん家で一緒に食わねぇ?あいつら、椿木さんのこと、すげー気に入ると思うし!」

「え、ほんと?じゃあ、妹ちゃんたちにも会ってみたいし、お邪魔しちゃおうかなぁ。」

思わぬ三ツ谷くんからのお誘いを快諾すれば、三ツ谷くんも嬉しそうに笑った。

「おう。じゃー決まりな。今日は生姜焼きにでもすっか。」

「いいねー!」

今晩のメニューが決まったところで、三ツ谷くんのアパートの駐輪場についた。

「あれ、そう言えば今日は集会?とかないの?」

ヘルメットを三ツ谷くんに返しながら、尋ねる。
彼が特攻服でも制服でもなく私服を着ていたからだ。
シンプルだけど、お洒落な着こなしだな、なんて思う。

「別に毎日集会やってるわけでもねぇからな。」

三ツ谷くんはそう言ってヘルメットを受け取ると、「じゃー行くか」といって歩き出した。

ギシギシッと軋んだ音を立てる階段を上ると三ツ谷と書かれた表札が目に入る。

「椿木さんの家みたいに広くねぇけど、ゆっくりしてって。」

そう言って少し恥ずかしそうに微笑むと、三ツ谷くんは家の中に入っていった。

「…お邪魔します。」

私も三ツ谷くんに続いて、玄関に足を踏み入れる。
すると、可愛らしい姿の女の子がぴょんぴょんっと顔を出した。

「お兄ちゃんおかえりー!」「おかえりー!」

「おーただいまー。」

「あれ、お姉ちゃんだぁれ?美人好きー♡」
「マナも好きー♡」

そして、こちらに気が付いたシスターズは、そう言って私にギュッと抱き着いてきた。

「はじめまして、椿木凛子っていうの。お兄ちゃんのお友達!」

「へー!お兄ちゃんずるい!ねぇねぇ一緒にあっちで遊ぼ!」「マナも!マナも!」

三ツ谷くんとそっくりな大きなたれ目が可愛いなぁ、なんて微笑めば、2人に居間と思われるところに半ば強引に連行される。

そんな姿を見て「こら、お前ら!」と言って、三ツ谷くんは苦笑していた。

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