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I don’t want to miss a thing.

第1章 …I'll be there for you.



泣き腫らした週末。

まだ気持ちの整理も何もついていないのに、無情にも朝陽は登っていって、私達はまた新しい1日を始めた。


泣き疲れて眠ってしまったあの日の夜、タカちゃんから届いていた数回の不在着信の履歴。

それから後を追うように、届いていた新着メールには、

『 話がしたい 』

たった一言、そんなメッセージが記されていた。


どんな話をされるのか――


考えたら怖くなって、遂に返事が出来ないまま月曜日を迎えてしまって、

言わなければいけないことは、聞きたいことは沢山あるのに、やっぱりいざ向き合おうとすれば足が竦んでしまう。

そんな私に心底うんざりしていた。

そして、着信もメールも無視した状態になってしまっている所為か、タカちゃんの方からもこちらに歩み寄ってくることはなく、その事実に少しホッとするような、泣きたくなるような、そんな複雑な想いを感じていた。


そんなぎこちない私達のことなんて気にする素振りもなく、

教室には今日も西園寺先輩がやって来ていたし、

廊下ですれ違う生徒達には相も変わらず後ろ指を指された。

そして、私はと言えば、今日も相変わらず、

鏡の前で脆く壊れそうな心を誤魔化すように「大丈夫大丈夫」と必死に自分自身に笑いかけていた。


そんなこんなで長いようで短い一日は、あっという間に下校の時間。


日直の仕事を終えて、学級日誌を職員室の担任に届けに行けば、担任の席の後ろの机に置かれた1枚の薄っぺらい紙切れが目に入る。

ファイルの中から、ちらりと覗いている紙をこっそりと抜き出せば、見覚えのある可愛らしい文字が綴られていた。

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