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I don’t want to miss a thing.

第1章 …I'll be there for you.



「えー、何それ、階段から落ちた?絶対自作自演じゃん。全部じゃないにしても他の嫌がらせも、絶対1枚そいつが噛んでるのは間違いない!」

「ハハッ、流石にライフの見過ぎ。でも、話の内容からして、彼氏と喧嘩してとか別れてなんて嘘だろうね。絶対最初から三ツ谷狙いだったろ。」

12月に入り立ての金曜夜23:00

凛子宅には、佐野エマおよび「…あ!ちょっと待って、どうせなら柚葉ちゃんも呼ぼーよ!」というエマの提案により召集された柴柚葉と凛子の姿があった。

コンビニスウィーツとポテチが広がったリビングで執り行われる、女子会という名の事情聴取。

ちなみに『ライフ』というのは、壮絶ないじめと戦う少女の物語を描いた、すえのぶけいこによる日本漫画および後に実写化されたドラマのこと。

「…でもさ、実際にそんなことする子って本当にいるの?だって階段から落ちるって結構痛いよ?それに、タカちゃんと少し距離置いてからも嫌がらせが減ったわけじゃないし…。」

「そりゃ普通はそんなことしないって。でも、頭ぶっ飛んでる奴だったら話は別。」

「…まぁ現に構ってほしくてリスカとかしちゃう子はいるわけだし。勿論、もっと辛い理由でしちゃう子もいるわけだけど。」

「…そうなのかなぁー。」

「もう、凛子ちゃんは少しは人を疑う癖つけなきゃダメ!」

「…何か、三ツ谷とイイ感じってやつも、ちょっと怪しいよね。アタシ的には有り得ないと思うんだけど。アイツ、まじで凛子ちゃんのことしか目に入ってないもん。」

「わかる!絶対、マウントとって三ツ谷から凛子ちゃんのこと引き剝がそうとしてんだよ!」

凛子は段々とヒートアップする2人に苦笑しながらも、つくづく自分は良い友達に恵まれているんだなと目頭を熱くした。

「…馬鹿…何泣いてんだよ……あー…何か考えてたらイライラしてきた。アタシ、そういう女、マジで嫌い。とりあえず一発ぶん殴ろう。話はそれから。」

「そうだよ!こっちのバックには東卍がついてんだぞってビビらせたらそんなの一瞬でなくなるよ!ウチなんて、あのマイキーの妹だって、未だに先輩に頭とか下げられてるし(笑)」

静かに泣き出した凛子の背中をさすりながら、柚葉とエマは凛子を励ますようにそう言って拳を握った。
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