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I don’t want to miss a thing.

第1章 …I'll be there for you.



「…エマちゃん、こんな時間にどうしたの?何かあった?」

突然のエマちゃんの来訪に驚いて急いで玄関の扉を開ける。

そうすれば、「…んー?何かあったのは凛子ちゃんの方でしょ。」と言って、エマちゃんは口をむくれさせた。

「……え?」

「んじゃ、お邪魔しまーす」なんて否応なしに部屋の中に上がっていくエマちゃんの後を追えば、

「……ほらね、やっぱり。お父さんなんて帰って来てないじゃん。」

といってエマちゃんは溜息を吐いた。

「…何でエマちゃんがそれを知ってるの?」

エマちゃんの言葉に驚いて目を見開けば、エマちゃんはソファにドカッと腰を下ろしてこちらを見上げる。

「それは今日東卍の集会があったから。三ツ谷がそう言ってた。」

「…あー、タカちゃんが。…そっ…か、タカちゃん怒ってなかった?」

「…怒ってはないけど…凛子ちゃんのこと心配してたよ。…てか、そしたら帰り際、西園寺詩織とかゆー読モが偶然登場。あんなトコ来たら男は送ってくしかなくなんじゃん…案の定、三ツ谷は西園寺詩織のこと家まで送るとか言うし。」

そういうわけで、これは何か怪しいと思ってここに来たってワケ。

そう言って眉を顰めたエマちゃんに、私は目を伏せた。

「……そっかぁ詩織さん集会来たんだ。」

やっぱり詩織さんが言ってた、タカちゃんと詩織さんが付き合うまでもう少しっていうのは本当のことなのかな、なんて。

タカちゃんのバイクの後ろに乗って笑っている詩織さんの姿を想像すれば、私の胸はズキンと激しく痛んだ。

「…で、あんなに仲良しだった2人がどうして距離置くことになっちゃったわけ?それ聞かなきゃ明日になってもウチ帰らないから!」

エマちゃんの恐ろしい剣幕に一瞬たじろぐ。

それでも一向に引く気を見せないエマちゃんの姿に私は腹を括ると「…えぇと……」と言って言葉を探し始めた。

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