I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
ドラケンに会うまでは、自分だけが大変な思いをしていると嫌になることもあったが、家族が生きている、それがどんなに幸せなことなのか改めて感じさせられる。
椿木さんと言えば、学校の下らない話なんかをしながらニコニコと何もなかったかのように楽しそうに笑っていた。
「……あの、さ。」
俺は、少し考えに耽ったのち、再度椿木さんに声をかけた。
「…ん?どうしたの?」
椿木さんは、口にくわえていた箸を取り出した後、不思議そうにこちらを覗いてくる。
「よかったら、うちの妹達ともたまに遊んでやってよ。飯とかも椿木さんが嫌じゃなければまた一緒に食ったりしよう。」
俺がそう言って笑えば、椿木さんは大きく目を見開いた後、首をこれでもかというほどぶんぶんと大きく縦に振った。
「うんうん、こちらこそ私でよければ是非!!!」
そしてそう言って、瞳にうっすら涙を浮かべながら嬉しそうに笑った。
俺はそんな彼女の姿を見て、頬を緩めた。
それからも2人で暫く担任の話や東卍の話、色んなことを話して穏やかな時を過ごしていれば、あっという間に時間が過ぎていった。