I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
「…あ?オイ、パー。テメェ、目に焼き付けるって一体どういうつもりだ、コノヤロー。」
「べ、別に、目の保養にするくらい別にいいだろぉーが!」
「…あぁ?全然よくねぇよ。テメー、椿木さんのこと変な目で見たら容赦しねぇかんな。」
「あーん?!やれるもんならやってみろバァーカ!」
「おーおー、東卍の弐番隊隊長が独占欲丸出しだ。…告んねぇくせに。」
「まぁ三ツ谷、どうせ全校の男どもの目に入るんだ。諦めろー。」
俺とパーがそう言ってじゃれ合っていれば、それを楽しそうに見つめるマイキーとペー、それから、少し呆れた様子で俺らを眺めるドラケンがいた。
暫くすると、そんな俺らの元に、
ズンッチャチャッズチャッ…ズンッチャチャッズチャッ…
と、最近耳にタコが出来るほど聞いている曲のイントロが聴こえてきた。
「オゥ、イイネ!ロコローション!」
そして、嬉しそうにぺーが顔を綻ばせれば、どこからかマイクを奪ったらしい森田さんが突如、朝礼台の上に姿を現した。
「さぁさぁ体育祭も終盤ですが?!男も女も!子供も大人も!盛り上がる準備は出来てるかぁー?!」
森田さんがそう叫んで、マイクをグラウンドに向ければ、入場門に並ぶ女子生徒、好きな位置から見物する男子生徒、観客席や来賓席から聞こえてくる歓声。
「「「「「オーーーー!!!!!」」」」」
勿論俺らも負けじと大声でレスポンスを返す。
「…い~い~ねぇ~~~!今年の2中の女達は魅せるわよ?!変わるわよ?!」
森田さんがそう言って観客を煽れば、ヒューヒューと口笛が方々から飛び交う。
「ハハッ、お前らの中学、面白い子いっぱいいんじゃん。俺もこっち転校しよっかな。」
「ハハッ、言われてみれば確かに。」
そう言って楽しそうに笑ったマイキーに、俺とぱーとペーがクツクツと喉を鳴らしていれば、観客のノリの良さに満足気に笑った森田さんが再びマイクをグラウンドに向ける。
「…よーし、ではでは、みなさん、盛り上がってイキマショ~~~せーの?!?!」
「「「「「 Ah ah~ なんかイイ感じ 青空 海 どう?このロケーション !!!」」」」」
こうして、恐らく全校中の男子が楽しみにしていたであろう女子生徒たちのダンスが始まった。