第3章 出会い
ーみるくー
梓「いらっしゃいませー!」
いい雰囲気の喫茶店を見つけ、ドアを開けると元気な声が聞こえてくる。
梓「お好きな席にどうぞ!」
そう言われ、窓際の席を選ぶ。
と、カウンターにいる別の客ともう1人の店員が目に入る。
小さい探偵と公安。
あぁ、私としたことが忘れてしまっていた。
ここは厄介な店だったじゃないか。
コナン「あれ?その制服、蘭姉ちゃんと同じだ!」
梓「あら、ほんとね。あ、蘭ちゃんって知ってます?この喫茶の上に住んでる高校生の女の子なんですけど。」
「違う学年の子かも!工藤新一くんの彼女で有名な?」
梓「そうそう!その蘭ちゃん!あ、ご注文は?」
「んー、ミルクティで。」
梓「かしこまりました!」
安室さんがミルクティを作り出す。
安室「お待たせ致しました。」
「早いですね!」
渡されたミルクティを口に運ぶ。
ふわっと甘さがひろがった。
「わぁ!美味しいですね!」
お世辞でも何でもなかった。
『零のつくるものはなんでも美味しくなるんだよ!魔法みたいでさ!俺が教えたのにすぐに追い抜かれちゃった。』
昔ヒロが言っていた言葉を思い出す。
コナン「ねぇ、もう帰る時間だったの?はやいね。」
「まさか。帰りたかっただけだよ。」
コナン「お姉さん、カバンは?」
「なくしちゃった。」
ミルクティを飲みながらさらっと答える。
あんなつまらない学校の話なんかしたくなかった。
工藤くんのクラスはよくても私のクラスは最悪だ。
この身体の傷の3分の1くらいはあのクラス内で出来たものだったから。
コナン「その傷、どうしたの?」
「転んじゃったの。」
コナン「痛そうだね。」
「大したことじゃないよ。慣れてるし。」
コナン「お姉さん、名前聞いてもいい?」
「ナンパかな?」
コナン「そんなんじゃないよ!」
小さな探偵さんは少し慌てたように手足をバタバタさせた。
コナン「僕の名前は江戸川コナン!」
「あぁ、コナン・ドイルと江戸川乱歩か。いい名前だね。」