第4章 二人の仕事
男「こんな時でも笑ってられるなんて本当に僕好みだよ。いつその笑顔は剥がれるのかな?」
男「自分の状況を理解してるみたいだね。そんなに仲間が大切なの?」
モニターには会場内に設置された無数の爆弾の映像が流れていた。
男「これだけあればどこにいても巻き込まれそうだね。」
突然、携帯が鳴り響く。男は私の鞄を探って携帯を取り出しスピーカーにした。
バーボン「もしもし、俺だ。今どこにいる?」
男「チッ男かよ。」
バーボン「誰だ?」
「そんなことどうでもいいから帰ってください。子供何人かさえ避けられないような人間、足でまといです。それから爆死したくなければパーティーは中止してくださいね。私はもう既に避難しているので。」
バーボン「どういうこと…」
ブチッと切られる。それだけでも伝えられればきっと問題ないはずだ。
男「いらねーこと言いやがって。よっぽど痛いのが好みだとみえるよ。」
外が騒がしくなり、人の叫び声も聞こえる。
避難が始まっているようだ。
服を脱がされ紫色の身体があらわになる。
男「虐待されてるような不必要な人間、犯したって問題ないだろ。」
不必要な人間。言われ慣れてる。何も怖くない。
『自分のこと、大事にしろよ?いつ死んでもいいみたいな目しやがって。』
死んでもいいよ。ヒロのためなら、いつ死んだって悔いはない。
だけどさ、きっとそれは今じゃないよね?
ゆっくりと口角が上がっていく。
「お兄さん、私はまだ死ねないよ。自殺に巻き込まれるなんてごめん。」
男「何言って…」
足でみぞおちを思い切り蹴る。その隙に拘束具を壊し、ボロボロになった服と無事だった上着を着て急いで人混みに紛れる。
外に出ると真っ暗で、こんな格好をしているものだからさすがにまずいと思い不本意ながらある人物に電話を掛けた。
2コール目で彼は出た。
秀一「どうした?」