第2章 始まり
ー零ー
ふわりと笑った彼女は夜の闇に溶けてなくなった。
仲間の相次ぐ死を少しだけ忘れられた不思議な時間で、
あの赤井に対する怒りが少し和らいだほどなぜか癒された時間だった。
本当に天使なのだと思ってしまうほどに彼女は天使だった。
梓「安室さんは天使って信じます?」
安室「そうですね、信じてもいいかもしれません。」
喫茶ポアロでの会話。天使に出会ってからかなりの月日が流れていた。
コナン「へぇー、意外。」
安室「コナンくんも一度会えば信じるしかなくなるよ。」
梓「えー!会ったことあるんですね!可愛かったですか?」
安室「かわいい、というよりは綺麗でしたね。白がよくお似合いでした。」
梓「へぇー!私も会ってみたいなぁ。」
カランコロンと鳴ってポアロのドアが開く。
梓「いらっしゃいませー!」
元気な声で挨拶する梓さんは看板娘の名にふさわしく、可愛い天使といった感じだった。