第2章 始まり
言われて初めてその身体に無数の傷があることに気づく。
打撲や切り傷、やけどなど様々な傷が痛々しくそこにあった。
秀一「年齢は?」
「女性に年齢を聞くなんて!あ、そんなに怖い目で見ないでよ。16歳だよ。華のJK!」
秀一「学校は?」
「好きな人の一大事にそんなところ行ってられない。」
秀一「好きだったんだな。」
「好きだよ。この先もずっと。誰よりも。」
無意識に手が首から提げた思い出に伸びる。
いつかヒロがくれた思い出を入れておける丸い窓のついたネックレス。
そこにはヒロとみるくの笑顔の写真が入っていた。
「ほんとに好きだった。JKと社会人じゃよくないって断られてたけど。」
秀一「大切にされてたのか。」
「とっても。秀一も明美を大切にしてね。彼女はもうすぐ死ぬことになる。妹のシェリーは私が助ける約束をしてるけど、明美は任せたよ。」
秀一「死ぬってどういうことだ?明美は狙われているのか?」
「さあね?未来ってね、分からない方が幸せなんだよ。この忠告は特別。最期にヒロとの時間をくれたお礼だから。じゃあね!また会うと思うよ。」
それだけ言って去っていく。
ふわりと笑った顔は本当の笑顔のような気がした。