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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第9章 新しい出会い




ふみのは、ぱっと顔を上げると、
杏寿郎に見つめられていたことに気付く。

杏寿郎の髪が、
月明かりによってさらに明るく艶めいていた。


(なんて、綺麗な、…、)


気付くとふみのは、手を伸ばし、
杏寿郎の耳にかかる髪に触れていた。


杏寿郎も、それに目を大きく見開いたが、
ふみのの手に、ゆっくりと自分の手を重ねる。


どきんと、ふみのの胸が跳ねる。


(ああ、だめ…っ、
 …杏寿郎に見つめられると、私…っ)


「ふみの、俺は、」



「カァァァ!伝令!伝令!」



思わず、杏寿郎とふみのは
びくりと肩を揺らした。

「要さん!」

「要、どうした?」


「西ノ方角ニ、鬼ノ目撃情報アリ!!
 幼子ガ行方不明ニ、ナッテイルトノコト!」


「すまない、ふみの、行ってくる」

杏寿郎は握っていたふみのの手を
そっとふみのの膝に置いた。

「うん…気をつけてね」



杏寿郎は、駆け足で
ふみのの部屋を出ると、隊服に身を整え、
要と一緒に夜の暗闇に消えていった。



ふみのはその後ろ姿を見送った。



(…もしかして…、
 もしかして、…杏寿郎も、私のこと…。
 そんなふうに、思ってしまう自分は、
 変なのかな…)


ふみのは自惚れている自分に
ぶんぶんと頭を降った。

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