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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第8章 呪われた呼吸




あまりの衝撃に、
ふみのは言葉を失う。



自分が使っていた呼吸が、
まさかそんなふうに言われていたなんて。

型を出すと、死んでしまう…?

今の使ってる型以外で、
死に値するものがあるってこと…?



ふみのは自分の手元を見ると
汗でじっとりと濡れていた。
身体中が冷えていくのが分かった。



「…ふみのさん」

名前を呼ばれ、
顔を上げるとそこには、
かつての炎柱であった頃の
槇寿郎の顔があった。


「俺はもう、誰も失いたくない。
 誰も死んで欲しくないと思っている。
 …もちろん、杏寿郎もだ。
 俺を追いかけようと、
 今も炎柱を目指し、鬼の頚を斬っているが、
 あの呼吸では鬼は滅殺できやしない。
 光の呼吸も、どこまで本当の話なのかは
 俺も正直分からないが…。
 ……敢えて、その道には進んで欲しくない」


ふみのは、槇寿郎をじっと見つめた。


「…槇寿郎様、正直に申します…、
 今のお話を聞いて…怖くなりました。
 光の呼吸に、そんなお話があったなんて、
 とても驚いています。
 …でも、でも槇寿郎様は、あの日の夜、
 屋敷が燃えている中、
 ご自分の危険を顧みず、
 私を鬼から救って下さった…っ。
 あのお姿を見て、
 私はこの志を決めました。
 煉獄家の、皆さんのお陰で
 今日まで生きてこれたのです…。
 私の家族を殺した鬼達がまだこの世にいて、
 今日もどこかで、
 自分と同じ思いをしている人がいるのであれば、
 私は隊士となって、その鬼達を滅したいのです…。
 もう、もう二度と、自分と、同じ思いを
 してもらいたく、ないのです……っ」

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