火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第8章 呪われた呼吸
ふみのの光の呼吸の精度は
日に日に、上達していった。
まだ確実に要領を得たわけではないが
光の呼吸は、放つ前の意識と思いに合わせて、
瞑想の呼吸法を重ねることで、
型が発揮できるらしい。
放つまでの時間さえ短くできれば、
短時間で何度も型を振るうことができた。
杏寿郎の稽古のおかげで
ふみのの体力も格段に上がり、
何度も型を出せるようになってきた。
ふみのは木刀から真剣に切り替え、
今まで以上に稽古に励んでいた。
夜になると、ふみのは杏寿郎に
全集中の呼吸や常中のこと、
鬼との戦闘方法など教えてもらっていた。
「ふみのの型も大分安定してきたな。
先程話した全集中の呼吸を身に付けておくと
全身の体温も上昇し、より俊敏な身体能力をも
身につけることができる!」
「すごい…!
瞑想にも呼吸は大切って書いてあったけど、
その呼吸法とはまた異なってくるのね。
身に付けられえるように、やってみる!」
「ああ!鍛錬なしでは身につかないものだが、
基本となっているのは、まず瞑想だ。
ふみののいつもの瞑想を応用していけば
いつかきっとできるようになる!」
「うん!!やってみる!」
「俺も全集中常中はまだ完全ではないが、
それにより型の威力も増しているように感じる!」
「自分の体と刀、呼吸は一体となっているのね。
奥が深いわ!少しずつできるようになりたい!」
「うむ!日々、鍛錬の積み重ねが大切だな!
…ところで、ふみのはどこで、
光の呼吸のことを知ったんだ?」
「・・・」
ふみのは
はっと思い出した。
槇寿郎の部屋に忍び込み、
本を借りていたことを。
ふみのは、毎日穴が開くほど読み込み、
いつしか返すことをすっかり忘れてしまっていたのだ。
「ふみの?」
「……。
杏寿郎、本当にごめんなさい…。
実は、槇寿郎様のお部屋の
本棚にあった本で知ったの…。
杏寿郎が最終選別で留守にしているとき、
初めて型を使えて…。
それが何か知りたくて、
何か文献があるかもって思って
勝手に槇寿郎様のお部屋に…入って……」
杏寿郎の部屋にも勝手に入ってしまったことも話し、
ふみのは謝罪した。