火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第7章 最終選別に向けて
「杏寿郎、ありがとう。
すごく、嬉しい…。
でも、…でも、私も杏寿郎を守りたい。
杏寿郎を支えていけるよう、もっと頑張る」
ふみのは微笑むと、
杏寿郎も優しく目を細める。
「ありがとう。
ありがとう、ふみの。
俺も、もっともっと、己を磨く」
「うん…!
また明日からも、よろしくお願いします!」
「うむ!二人で一緒に、頑張ろう」
ふみののことを
心の底から愛おしいと、杏寿郎は思う。
ふみのは、
言いかけた杏寿郎への想いを、
そっと胸の中に留めた。
このままの二人でいい。
今のままで、十分だった。
こんなにも寛げる、穏やかな時間は
他の何にも、変えることはできないだろう。
二人だけの、心休まる特別な時間。
ふみのと杏寿郎は、
想う気持ちを、
お互いに、胸に秘めた。
ゆっくりと時間をかけて芽生えた蕾は、
これから先、少しずつ、膨らんでいくのだった。