火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第6章 放たれた光
自室で本を読み進めていったが、
頁が飛んでいたり、破れていたりと
本の状態はかなり悪かった。
結局のところ、
光の呼吸については
分からず終いだった。
唯一分かっているのは、
瞑想が関係していることと、
女性だけが使えた呼吸だということ。
少しではあるが、
残っている頁から
型の使い方についても多少読み取れた。
(伍ノ型には、なんて書いてあったのかな…。
杏寿郎はよく炎の呼吸の指南書を読んでいたけど、
この本は光の呼吸の指南書に当たるものなのかしら…)
でもなぜ、炎の呼吸を継承している煉獄家に
この光の呼吸の書物があったのか。
考えても考えても、よく分からない。
(でも、今日のあの光は、
光の呼吸と関係しているのかもしれない。
……やっていくしかない…っ!)
ふみのはその書物を丁寧に読み、
できる限りの事を書き出していった。
その日の夜。
ふみのと千寿郎と夕食を食べていた。
「千寿郎くん。午後、槇寿郎様はお酒を買いに…?」
「はい…そうなんです…引き留められず…。
すみません」
「ううん、私も何もできなくてごめんね…。
(まさか杏寿郎と槇寿郎様のお部屋にいたなんて言えない…っ)」
「そんな、違うんです。
俺がもっとしっかりしなければ、いけないんです」
「今度私も話してみるわ。皆心配しているって」
「はい…ありがとうございます。
父のことで迷惑かけてしまい、本当に申し訳ありません」
「そんなに謝らないで!
きっと槇寿郎様は分かってくれるって信じてる。
きっと、大丈夫」
「…はいっ、そうですね!信じます!」
「うん!」
「そういえばふみのお姉様、
手の具合はいかがですか?」
「お陰様で、だいぶ良くなったみたい!
全然痛みはないの!
また明日から素振りを再開しようかなって。
包帯、ありがとう!」
「そうですか!それはよかったです!
でも無理は禁物ですよ!」
はい、気をつけます!と
ふみのは返事をした。