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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第6章 放たれた光




ふみのは一人鍛錬に打ち込む杏寿郎を見て思う。


きっと彼は、どんな時も自分自身に妥協せず、
自分の使命を果たしていくのだろうと。

煉獄家の炎の呼吸を継ぎ、
槇寿郎のような炎柱になり、
その生まれ持った強くやさしい心で、
この世界を救っていくのだと。

ふみのには、杏寿郎の背中に映る、
燃えたぎる熱い炎が見えた。

今までの努力を、思い出を、想いを
糧として、精一杯、生きている姿。


(私も、必ず追いかける)


守りたい大切な人達のために。

これからの未来のために。





杏寿郎の最終選別の前夜。

ふみのと千寿郎は杏寿郎の大好きな
さつまいも料理をたくさん作った。

相変わらず、うまい!うまい!と声を上げ、
五合も炊いた米は一瞬で空になってしまった。

ふみのは槇寿郎にも、
杏寿郎の最終選別の前夜なので
一緒に食事をどうかと、声をかけたが返事はなかった。


「父上には、明日の朝、俺から挨拶をして行く!
 心配をかけてすまなかった」

「ううん、できたら今日はお夕食を一緒にって思ったの。
 お節介なことして、ごめんなさい」

「いや!きっと父上も思うところがあるのかもしれない。
 ふみのは気にしなくて大丈夫だ」

「うん…。あ!杏寿郎、あのね、渡したいものがあるの。
 このあと、すぐ寝てしまう?」

「いや!まだ支度があるので起きてる!」

「わかった!片付けをしたら行くね!」

「うむ!承知した!」

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