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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第6章 放たれた光




それからというもの。


ふみのと杏寿郎は多少の気まずさはあったものの、
杏寿郎の最終選別が迫っていたこともあり、
鍛錬をしていくうちに、
いつも通りに過ごせていた。

また、杏寿郎がより集中できるように
ふみの自身は鍛錬を控え、
千寿郎と一緒に食事や家のことに専念していた。

杏寿郎は木刀から真剣に切り替え、
今まで以上に鍛錬に打ち込んでいた。



その様子を見つめていたふみのに
千寿郎は声をかける。

「兄上は、本当にすごいです。
 お一人で、あそまで鍛えていて…」

「うん、本当に…。杏寿郎は、すごい」

日に増して、杏寿郎の真剣からは
目には見えない波動が刃を振るうたびに、
ふみの達にも伝わってきた。

(あんなふうに、なりたい。
 杏寿郎のように、私も強くなりたい)

ふみのはただ、そう思った。


「俺は、兄上みたく、なれません。
 …自分は、全然強く、なれないんです」

ふみのの横で、
悲しそうに俯く千寿郎の拳は震えていた。

「そんなことない!
 必ずしも皆んなが、同じ速さで成長していくとは限らないわ。
 人それぞれ、持っている賜物は異なるし、
 でもそれに気付くのって、
 すごく時間がかかることだと思うの」

「賜物…ですか…?」

「うん。その人にしかない、いいところのこと。
 私も自分の賜物は、まだ分からない。
 でも、だからこそ、
 少しずつ日々自分を磨いていくんだと思う。
 …いつか、自分だけの、賜物に出会えるように」

「…俺も、あるんでしょうか。俺だけの賜物」

「絶対あるわ!……あ、分かった!」

「…!なんでしょうか…?!」

「いつも一生懸命に物事に取り組む姿勢!
 そんな千寿郎くんに、私は勇気をもらっているの!」

「あ…ありがとうございます!」

「賜物は自分だけじゃなくて
 きっと周りにも良いことを届けているって、私は信じてる」

「…俺も、ふみのお姉様の賜物、分かりました!」

「え!なんだろう!」

「ふみのお姉様の笑顔、です!
 ふみのお姉様の笑顔は、みんなが安心する笑顔です!」

「…っ!嬉しい!ありがとう!千寿郎くん!」

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