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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第5章 それぞれの思い




「ご、ごめんね!!!」

ふみのが、ばっと杏寿郎から離れた。

「本当、ごめん、なさい…っ」

「い、いや!俺もすまなかった!!
 ふみのが、謝ることはない!」


二人に気まずい空気が流れる。


(心臓、止まっちゃうかと、思った…っ)

ふみのと杏寿郎の心臓は
まだどきどきと鳴っていた。




「兄上!ふみのお姉様!
 冷えたお水をお持ちしました!」

「あ!せ、千寿郎くん!あ、ありがとう!
 今、すごく喉が、乾いていてっ!」

「それはよかったです!兄上も、どうぞ!」

「あ、ああ!すまない…っ」

「……?」

二人のぎこちない様子に
千寿郎は首を傾げる。

「兄上もふみのお姉様も、顔が赤いですが…。
 少し休まれてはいかがですか?
 休憩も大切ですよ!」

ばっとふみのと杏寿郎は顔を見合わせる。

「「……っ!」」

ふみのと杏寿郎は、
気まずさやら、恥ずかしさで、
まともに話せなくなっていた。


(〜〜〜!はあっ、とっっても恥ずかしい…!!)

(…穴があったら入りたいとは、まさにこの事…っ)


縁側に座るふみのと杏寿郎の距離が
微妙に離れているのを千寿郎は不思議そうに見ていた。

(お二人に…何があったんだろう…?)



千寿郎がこの二人のことに気付くのは、
もう少し後のお話。

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