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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第31章 《番外編》咲く色を知るのは



「ははは!元気で何よりだ、杏寿郎くん。

 槇寿郎殿は、この辺り一帯の警備を
 してくださっているんだよ。
 私達が日々安心して暮らせるのも、
 槇寿郎殿のお陰なんだ」

「…けいび…」

聞き慣れない言葉に
ふみのの脳内には疑問符が浮かぶも、
建蔵からの説明にふみのは耳を傾ける。

「つまり、悪いものが現れないよう
 いつも見守ってくれているんだよ」

なるほど、とふみのは
瞳をぱちりと瞬かせた。


 すごい…!
 やっぱりこのひとは
 ほのおのかみさまなんだ…!


ふみのは槇寿郎を見ると
和かに微笑んでくれた。


「…そうだ、ふみの。
 良かったら杏寿郎くんと遊んできたらどうだ?」

「…えっ…!」


建蔵から思いもよらない言葉に
ふみのは目を見開いた。

「そんな、建蔵殿…!
 ご迷惑になってしまうので…っ」

「いえいえ、
 杏寿郎くんも大人の話しだけじゃ
 退屈してしまうでしょうし…。

 ふみの、よしのを連れて、
 杏寿郎くんと三人で遊んできなさい」

「…わ、わかりました…っ!」

ふみのは突然のことに戸惑いつつ、
杏寿郎をちらりと見た。

失礼のないように、と槇寿郎は杏寿郎に伝え、
いってまいります!と返事をしていた。

ふみのは立ち上がり、
杏寿郎とともに座敷を後にした。


・・・


ふみのと杏寿郎は
ぽとぽとと廊下を歩いていた。


 なにをしてあそべいいのかな…っ


突然遊べと言われても、
初対面である人にどう話しかければいいのかと
ふみのは困惑してしまう。

緊張のあまりふみのは
杏寿郎の顔を見ることができなかった。


「あの!」

「!」


すると杏寿郎がぐいっと
ふみのを顔を覗き込んだ。


「ふみのさんと、
 およびしてもよろしいですか!」


杏寿郎の溌剌とした緋色の瞳に
何故かふみのの鼓動が早まる。


「は、はい!
 だいじょうぶ、です…!」

「ふみのさんはいつも
 かくれんぼをして
 あそんでいるのですか?」


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