火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第4章 決意と別れ
「さあ、家に戻ろう!
また明日から鍛錬だ!ふみの!千寿郎!」
元気よく言う杏寿郎にふみのは心配したが、
きっと彼も前を向いて、次に進もうとしているんだと思った。
「うん!今日はさつまいもご飯にしましょう!」
「よもや!それは嬉しい!楽しみだ!」
「うれしいです!おてつだいします!」
千寿郎も嬉しそうに笑った。
ふみのは思った。
どんなに悲しい出来事も
きっと神様が次に進めるために用意してくれた
大切な試練なのかもしれない。
たくさん悲しんで、たくさん泣いたあとは
少しずつ、前を向いて歩いていけばいい。
挫けたとしても、またゆっくり立ち上がればいい。
たくさんの人に支えられて今がある。
今までの思い出を胸に、また歩いていけばいい。
そして、守りたいものがある。
大切な人がいる。
苦難を乗り越えて、大切な人のために
自分の使命を果たしていく。
この出会いと今までの時間は
何にも変えられない、私の心の支えだ。
今生きていることに感謝して。
私は、明日も命をかけて、
一生懸命に生きていきたいと思う。
「杏寿郎!千寿郎くん!私、頑張るよ!」
「ああ!俺もだ!一緒に頑張ろう!
昨日の自分より強くなれるように!」
「うん!!」
三人はしっかりと手を繋ぎ合い、
今一緒に過ごせる喜びに感謝して、帰路についた。
秋の少し肌寒い風が吹き始めていた。