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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第27章 ふたつのあかり




それから二日後のこと。

産屋敷邸にて、
最後の柱合会議が行われていた。


「来てくれてありがとう。
 今日が最後の柱合会議だ」


耀哉を継ぎ、当主となった輝利哉と
二人の娘、かなたとくいなの三人が
杏寿郎、ふみの、実弥、義勇を
出迎えてくれた。


「他の子供たちも大勢いなくなってしまった。
 けれど、私たちは鬼を滅ぼすことができた。

 鬼殺隊は、今日で解散する」

「「「「御意」」」」


いつも会議が行われていた座敷は
普段よりも広く感じた。

亡き他の柱を思うと、
ふみのは寂しさを感じるも
耀哉と似た輝利哉の穏やかな声は
それを宥めてくれた。


「長きに渡り、身命を賭して」
「世の為人の為に戦って戴き、
 尽くして戴いたこと」

「産屋敷家一族一同、
 心より感謝申し上げます」


輝利哉達は手をつき、
四人に深々と頭を下げた。

「顔を上げてくださいませ!」
「礼など必要御座いません!」

義勇と実弥が声を張る。

「御父上である耀哉様の御意志を
 輝利哉様が懸命に果たされた事、
 私達の為に全てを捧げてくださった事、
 どう感謝をお伝えしていいか分かりません」

「輝利哉様が立派に務めを果たされたこと、
 御父上含め、産屋敷家御先祖の皆様も、
 誇りに思っておられることでしょう」

そう杏寿郎と義勇が話すと、
輝利哉はずっと堪えていたかのように
大粒の涙を流していた。

「…ありがとうございます…っ」

かなたとくいなも涙を流していた。


鬼殺隊としての使命が今終わったと、
ふみの達は思った。

外は、雲一つない快晴だった。

そしてこれからまた
新しい日々が始まっていくのだと
四人は門の前で頭を下げると産屋敷邸を後にした。





「…これで、鬼殺隊も解散か」

義勇がぽつりと呟く。

「…俺はもう行くぜェ」

実弥は素っ気なく
その場から立ち去ろうとした。

「不死川!折角集まったんだ!
 この後、皆で食事でも行かないか?」

「?!」

「…飯か。
 それは俺も同行しても良いのか?」

「うむ!勿論だとも!
 皆で食べる食事は格別だからな!」

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