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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第27章 ふたつのあかり




「柱合会議を終えて、ふみのの体調も見ながら。
 …どうだろうか」

「うん…っ!
 杏寿郎と一緒に海に行きたい…!
 とっても嬉しいわ!ありがとう…っ!」

ふみのに笑みが溢れる。

海に行くのはいつぶりだろう。

幼い頃に聴いた潮鳴りが
ふみのの耳元に響いてくるようだった。

瑠璃色に光る波打ち際。

そこに足を浸せば冷たい海水が幾度となくすり抜け、
きらきらと輝く波間にのせて潮騒と鴎の声が相まう。


「この戦いが終わりを迎えたら
 ふみのに声を掛けようと、
 ずっと心に決めていてな。
 ふみのに喜んで貰えて俺も嬉しい!」

「覚えててくれてありがとう…っ!
 ここからだと、列車で一時間ちょっとかしら…」

「うむ、帰ったら行き方を調べてみよう!
 ふみのと遠方に出かけるのも、
 刀鍛冶の里以来になるな」

「そうね…!
 今からとっても楽しみだわ!」

「うむ!晴天の日に出かけよう!」

「うん!」

二人はその約束にほころぶ。

ふみのはみちの着物を着て行こうと
決めたのだった。



荷造りを終え、ふみのと杏寿郎は
炭治郎達に挨拶をしに病室へと向かった。

ふみのと禰󠄀豆子は文通をしようと
指切りを交わした。

皆が門の外まで見送ってくれ、
カナヲとアオイ、なほ、きよ、すみも
ふみのの回復を喜んでくれた。

カナヲからは、
何か体調のことで困ったことがあれば、
いつでも連絡して欲しいと話してくれた。

「また見舞いに来る!
 くれぐれも無理のないようにな!」

「ありがとうございます!煉獄さん!
 ふみのさんもお大事になさってください!」

「ありがとう、炭治郎くん。
 また来るわね!
 カナヲさん、アオイさん、
 お世話になりました…!」

皆がふみのと杏寿郎に手を振ってくれた。
二人は皆が見えなくなるまで手を振った。


そして二人はぎゅっと手を繋ぐ。


「さ、家に帰ろう!
 ふみのの帰りを
 父上と千寿郎も心待ちにしていた!」

「うん…!
 杏寿郎と一緒に帰れて嬉しいわ!
 今日からまた、よろしくお願いします…!」

「ああ!こちらこそ宜しく頼む!」


煉獄家では
槇寿郎と千寿郎が首を長くして
二人の帰りを門の外で待っていたのだった。

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