火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第27章 ふたつのあかり
「煉獄さんは、
ふみのさんのどんなところに
惹かれているのですか!?」
「えっっ!?!」
途端に、ふみのの瞳が見開かれる。
ふみのはそうっと杏寿郎を見ると、
幸せそうにふみのを見つめていた。
「そうだな…、
一言では言い尽くせないが…。
常に誰かの幸せを想うことのできる、
心優しいところに、
俺は心惹かれているな。
…ふみのの隣にいるだけで、
もうこれ以上の幸せはないと思える程だ」
「…!!」
「わぁ…!
とっても素敵なご関係ですね!!」
杏寿郎の返答に、
ふみのの心臓は
今にも飛び出してしまいそうだった。
きらきらと目を輝かせる禰󠄀豆子は、
初めての恋に心ときめかせていた。
「じゃあ、ふみのさんは…?!
煉獄さんのどんなところが
お好きなのですか?!」
「えっ…、と…、…あの…」
恥ずかしさのあまり、
ふみのの声は徐々に小さくなる。
「…いつも笑顔で、優しくて…、
…私のことを大切に想ってくれて…、
お日様みたいにやさしく
包み込んでくれるところ…かな…?」
ふみのは恥ずかしさで
目をぎゅっと閉じ、
その手で顔を覆い隠した。
そんなふみのを
愛おしそうに杏寿郎は見つめ、
目を細めていた。
禰󠄀豆子はふみのの返事に
ますます胸を高まらせ、
ふんふんと意気込んでいるようだった。
「素敵すぎます!!ふみのさん!!
もっとお二人から恋のお話を伺いたいのですが、
よろしいでしょうか!!」
「えっっ!??」
「うむ!良いだろう!
次の質問は何だ!!」
「次はですね!
いつからお二人がお互いを意識されていたのか
知りたいです!」
「うむ!そうだな…!」
「ね、禰󠄀豆子ちゃんっ、
も、もう、これ以上は…!!」
「次はふみのさんにも聞きますからね!」
「〜〜〜っ!??」
禰󠄀豆子は日が落ちるまで、
ふみのと杏寿郎に
恋についての問いを投げ続けたのだった。
そして退院前日。
義勇がふみのの病室へと現れた。
義勇は右腕を失っていた。
長く伸ばしていた髪は短く切られ、
以前より表情が明るくなったと
ふみのは思った。