火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第27章 ふたつのあかり
禰󠄀豆子はふみのを姉のように慕い、
退院までの間、病室に花を飾ってくれた。
「ふみのさん、
色々と私の面倒を見てくださって、
ありがとうございました…!
お兄ちゃんから話を聞いて…。
…ごめんなさい、鬼になっていた時の記憶は
ほとんど覚えていなくて…」
「ううん、
禰󠄀豆子ちゃんは何も気にしないでいいのよ?
屋敷で一緒に過ごしていた時も
たくさんお手伝いしてくれて、
本当に助かったの。
ありがとうね」
「いえ、そんな…!
…これからも、ふみのさんとは、
ずっと仲良していれたらいいなって思ってます…!」
「うん!もちろん!」
ふみのは禰󠄀豆子の頭をぽんぽんと撫でた。
「あ、あと…!
ふみのさんに
聞きたいことがあるんです…っ!」
「? 聞きたいこと?何かしら!」
「…そ、その、恋仲になるって、
どんな感じなのでしょうか…っ」
「えっ!?」
「あの、…善…逸さん…なんですけど、
…私のことを気にかけてくれて、
いつも笑わせてくれて。
お兄ちゃんから、
ふみのさんと煉獄さんは恋仲だって聞いて、
…その、誰かに恋をするって…、
どんな感じなのかなって…気になってて…」
「そ、そうね…!えーと…っ!」
禰󠄀豆子にじっと見つめられ、
ふみのの顔は
みるみるうちに赤くなっていく。
すると、とんとんと
病室の扉が鳴った。
「!! は、はい!どうぞ!」
ふみのが返事をすると、
杏寿郎が入ってきた。
「む!これは失敬した!
邪魔をしてしまったようだな!」
「煉獄さん!こんにちは!
いえ…!私の方こそ、
お邪魔していてすみません…!」
「いや!気にするな!
…? ふみの、
顔が赤いが…、何処か具合でも悪いのか…?」
杏寿郎はふみのに近づき、
その額に手を当てる。
「う、ううん!ち、違うの!
大丈夫よ!私はとっても元気だからっ!」
「うむ…本当にそうか…?」
納得がいかないのか、
杏寿郎はさらにじっと
ふみのを見つめた。
「あ、そうだ!煉獄さん!
一つ質問をしてもいいですか?!」
「ああ!勿論!何だろうか!」