• テキストサイズ

火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第4章 決意と別れ




そして槇寿郎の休暇があっという間に終わってしまい、
瑠火のことを子ども達でみていた。

ふみのはいつもように、瑠火に薬を届けていた。


「母上様、何か夕飯に食べたい物はありますか?」

瑠火は、うーんと顎に手を添えて考えた。

「そうしましたら、
 先日作って下さった、さつまいもの甘煮が食べたいです。
 いいですか?」

「もちろんです!その他にも何かあれば、作ります!」

きっと甘煮は杏寿郎が喜ぶからと、そんな想いなんだろうなと
ふみのは思った。

「あとはふみのさんがいつも作って下さる、
 野菜のお味噌汁があればもう十分です。
 ふみのさんの味がとても好きなんです」

にこっと瑠火が笑う。

「わかりました!今日も一生懸命に作りますね!」

「いつもありがとう。…あと…」

瑠火がふと目線を落として、考え込んでいた。

「母上様、どう、されましたか?」

「…杏寿郎と千寿郎をここへ呼んで来てもらえますか?」

瑠火の神妙な面持ちに、ふみのはどきりとした。

「…はい、わかりました。声をかけて参ります」

瑠火の部屋を出て、
ふみのは杏寿郎達を呼びに、庭へ向かった。

ふみのはなんとなく、
瑠火のいつもと違った雰囲気を感じ取っていた。

きっと、杏寿郎と千寿郎くんにも、
ご自身のことをお話されるのだろう。

ふみのの胸がぎゅうっと締め付けられる。



杏寿郎達は庭で木刀をカンカンと奮っていた。

「杏寿郎、千寿郎くん」

「!ふみの!どうした?」

「…瑠火様が二人を呼んでらしたの」

その言葉に、杏寿郎ははっと目を見開く。
千寿郎は、何が起こったのか分からず首を傾げていた。

「…分かった。すぐに行く。
 ふみの、言付けをありがとう。
 行こう、千寿郎」

「…はい、あにうえ」

少し不安気に、杏寿郎の後を
千寿郎は駆け足でついて行った。

ふみのは二人の後ろ姿を
見守るように見つめた。

/ 545ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp