火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第4章 決意と別れ
「…槇寿郎さん、私も貴方様の傍にずっと、ずっといたい。
離れたくありません…っ。
でも、槇寿郎さん、これだけは、
忘れないでください。
私は貴方様の妻であり、
この想う気持ちは変わることは決してありません。
ずっと、ずっとこの先もずっと、
私の心は槇寿郎さんと一緒です」
槇寿郎と瑠火は泣いていた。
でもその涙をお互いに見せないよう、抱き合っていた。
「私は、今この瞬間も、
そしてこれからも、槇寿郎さんのことを、
心から愛しております」
その言葉に槇寿郎は、さらにきつく瑠火を抱きしめる。
「…瑠火、瑠火。俺も瑠火を心から愛している。
ずっとこの先もずっと。永遠に」
「…私は、槇寿郎さんに愛されていなくては、
困ってしまいます」
顔を肩から離すと、お互い頬が涙で濡れていた。
瑠火は優しく、微笑んだ。
ただただ、瑠火が愛おしい。
槇寿郎は瑠火の涙をそっと拭い、
瑠火の口元に、そっと自分の唇を落とした。
束の間の、愛おしい時間。
この時間だけは、二人だけのもの。
この愛は永遠だと、そう強く二人は思った。