火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第24章 照らされた道
(他の稽古で培われた成果もあって、
皆の気迫が伝わってくるみたい…!)
ふみのは皆の実力に感動し、
はじめ設けていた時間を更に一時間延長した。
瞑想終了時刻まで
残り僅かとなったその時。
「うむ!!
皆姿勢が良くて素晴らしいな!!
感心感心!!」
「えっ!? きょ、杏寿郎…っ?!」
「お、随分とまぁド派手な登場だなぁ?煉獄」
チリンッ…
チリン、チリン、チリンッ…────
杏寿郎の大声に皆がびくりと驚き、
次々と鈴が畳に落ちた。
「それは失敬した!
しかも皆を驚かせてしまったようだな!」
隊士達は恐る恐るふみの達を見上げていた。
「…つーかお前らさ?
煉獄の声にビビって鈴落とすとか
全っっ然集中してねーじゃねぇか!!!
罰として全員二十周走り込み!!いいな!?」
(((!?!!?
てか音柱に炎柱まで…!!!
この柱稽古、
一番鬼畜かもしれない…っ!!!)))
ふみのの初日の稽古は天元と杏寿郎も交え、
日が暮れるまでやることとなったのだった。
「…ったく、締まりの無い奴ばっかだな?!」
「誰もがここまで
宇髄の指導が入るとは思ってもなかろう!」
「でも、宇髄さんがいてくださって、
私も稽古を流れを掴むことができました!
次は一人でもできるように頑張ります!」
「俺は当然の事をしたまでよ。
でもま、一ノ宮の自信に繋がりゃそれでいいよな。
あとはやりたいようにやってみりゃいい」
「はい!ありがとうございます!」
「うむ!
ではふみの!
今日は帰るとしよう!」
「うん!
では宇髄さん、失礼します!」
「宇髄!世話になったな!」
「おう、じゃ〜またな〜。
あんまし無理すんなよ」
気遣いに感謝する!と、
杏寿郎はふみのの手を取り、
家に向かっていった。
(…煉獄もまあ、
堂々と手なんか繋ぐようになっちまって。
ほんと一ノ宮のこと、好きよなあ)
天元は小さくなる二人の背中を見送ると、
瞬時にその場から姿消した。
その夜。
ふみのは夜の台所で一人、
明日の昼の仕込みをしていた。
やはり多くの隊士達が腹を空かせており、
千寿郎と二人で結ったおむすびは
一瞬で平らげてしまったらしい。