火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第24章 照らされた道
「…で、一ノ宮はどこ向かってんだ?」
「あっ、えと、今日から柱稽古の指導なんです!」
「あ、そうか、今日からだっけか。
…どんなモンか、ついていってもいいか?」
「え!あ、はいっ!もちろんです!」
「よし!んじゃ、俺は一ノ宮のとこ行ってくっから、
お前らは先に帰ってろ」
「はぁーい!分かりましたっ!
………あのっ、ふみのさん!」
元気良く返事をした須磨が
ずいっとふみのの瞳を覗き込んだ。
「あっはい!な、何でしょうか…!」
「ふみのさんは、温泉、お好きですかっ??」
ちょっ!そんな唐突に!と
まきをは須磨の頭をぽこんと叩く。
「! 温泉…ですか?
はい!好きですよ!」
「ほんとですかっ!?よかったぁ〜っ!
私達、温泉大っ好きなんですけど、
良かったら今度、一緒に行きませんかっ??」
「ちょっと須磨?!
ふみのさんは柱の方なのよ!?
忙しいんだし、急にそんなこと言ったら失礼でしょ!?」
「えぇ〜だって、絶対楽しいじゃないですかぁっ!
色々お話も色々聞いてみたいですし!」
「ふみのさん…、須磨さんが突然ごめんなさい。
お気になさらないでくださいね」
雛鶴も申し訳なさそうにふみのに頭を下げた。
「いえっ!私は全然…!
お誘いいただけて、とっても嬉しいです!
ぜひ、ご一緒させていただきたいです…!」
「うわーいっ!絶対一緒に行きましょうね!温泉っ!」
楽しみ〜!と浮かれる須磨に、
呆れながらも和気藹々とするまきをと雛鶴は
とても愛らしくみえた。
「で、話は終わったか?」
「ああっ、天元様、ごめんなさいっ!
私ったらつい…!」
引き止めてしまってすみません!と
須磨達はふみのに頭を下げた。
「んじゃ、ちょっくら行ってくるわ!」
「「「行ってらっしゃいませ、天元様!」」」
妻三人に見送られ、
ふみのと天元はその場を後にした。
「元気で明るい奥方様ですね!」
「だろ?稽古の昼飯も率先して用意してくれるし、
マジで気の利いた嫁達だぜ。
…なんかよく分かんねーけど、
須磨は一ノ宮にすげぇ会いたがってたぞ?」
「…!須磨さん…!
そうだったんですか…!」