• テキストサイズ

火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第24章 照らされた道




ふみのの稽古の瞑想には
大きな座敷が必要だったため、
空いている他の屋敷を借りて行われることになっていた。

今日初めて柱稽古の指導に当たるふみのは
少々緊張している様子だった。

「ふみの、案ずるな。
 俺も稽古が終わったら、
 ふみのを迎えに行く」

「うん、ありがとう…!
 杏寿郎も無理しないでね」

「ああ!何かあれば要にて伝える!」

「うん!」

ふみのは二人に手を振り、
煉獄家を後にした。


屋敷に向かう途中で薫子と出会し、
事前に参加人数を教えてくれた。
本日の参加は二十五名とのことだった。
薫子は所用を済ませてから屋敷に向かうとのことで、
一旦その場を離れた。

ふみのの稽古の流れはこうだ。

目を閉じ、深呼吸を数回繰り返す。
各自、呼吸が落ち着いたところで、
爪の先ほどの大きさの鈴を頭部に乗せる。

あとはこの鈴を落とさないように
瞑想に集中するのみ。

至って簡単なことに思えるが、
少しでも動けば鈴は畳に落ちてしまう。

体の末端から全身へと意識を集中させつつ、
呼吸を使いながら内なる五感を研ぎ澄ませていく。

参加する隊士にこの説明が上手くできるかと、
ふみのは思いめぐらせながら屋敷へと歩いていると、

「お!一ノ宮!久しいな!」

「宇髄さん…!お久しぶりです!
 …えと、お隣は…奥様方でしょうか…??」

左目に派手な装飾があしらわれた眼帯をつけた天元と
三人の女性に出会した。

「そ。俺の嫁の、須磨、まきを、雛鶴」

「ひゃっもしかして煉獄様の奥様!?」
「バッ…だからっ、違うって!!
 何度言えば分かんのよ!アンタは!!」
「わぁ〜んっ、まきをさんがぶったぁ〜!」
「ちょっと二人とも!!
 ふみのさんがびっくりしていますよ!
 …と、取り乱してすみません、
 妻の雛鶴と申します」

雛鶴はふみのに丁寧に頭を下げた。

「初めまして…!
 一ノ宮ふみのと申します!」

「私、須磨といいますっ!よろしくお願いしますっ!」
「私はまきをです。初めまして」

「こ、こちらこそ、よろしくお願いします!」

(皆様、とってもお綺麗な方…っ!
 妖艶とはまさにこのことね…!)

ふみのは三人の妻に見惚れて、
つい言葉を失ってしまった。

/ 545ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp