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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第24章 照らされた道




杏寿郎にそう言われ、
照れたふみのの目尻が下がる。

「ふふっ、気に入ってもらえて嬉しいな。
 作れる時は、いくつか用意しておくね!」

「ありがとう!
 でも、ふみのの手を
 煩わせてはしまわないか?」

「ううん!すぐ作れるし、大丈夫よ!」

「では俺もふみのに何か
 差し入れをさせてくれ!」

「えっ、ありがとう…!
 でも、杏寿郎は私以上に稽古があるし…、
 気持ちだけで充分嬉しいわ!」

「それはふみのとて同じだ!
 ふみのの好きなものを用意していく!」

ふみのの眼前に、
杏寿郎がぐいっと得意げに顔を覗かせる。
小さな子どものようにうきうきする様子に
ふみのも嬉しさが込み上げた。

「あ…ありがとう!
 何だろう、楽しみだな…っ!」

そんなふみのと杏寿郎の微笑ましいやりとりを
見つめていた炭治郎の頬が徐々に赤くなってゆく。

(…い、以前にも増して、
 二人のにおいが…、あ、甘すぎる…ッ!!!)

その場のふんわり甘い空気に炭治郎は耐えきれず、

「じゃ、じゃあ、俺ッ、
 時透君のところ、行ってきますっ!ハイッ!」

「えっ、炭治郎くん、待っ…」

湯呑みの茶を一気に飲み干し、
ふみのが言いかけている途中で
煉獄家から駆けていってしまった。

「炭治郎くんはいつも本当に熱心ね…!」

「うむ!良いことだな!感心感心!」

その場の雰囲気が甘すぎたことなど、
ふみのと杏寿郎は全く気付いていないようだった。



「…炭治郎、もう来たの?」

ぜいぜいと息を切らしながら、
炭治郎が無一郎の屋敷にやってきた。
やけに炭治郎の頬が赤いことに、
無一郎は首を傾げた。

「う、うん…っ!
 は、早く、時透くんの、稽古を、受けたくてっ!」

「…ふーん、そう。
 煉獄さんとの稽古もあったんでしょ?」

「うん!でも、ちゃんと
 時透くんとの稽古の為の体力は
 温存してあるから!
 今日はよろしくお願いします!」

「うん、よろしく」

無一郎は時間になると、竹刀を手に取り、
炭治郎とその他の隊士の稽古にあたった。



「じゃあ…行ってきます!」

「ふみのお姉様、お気をつけて!」
「ふみの、無理なくな!」

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