火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第24章 照らされた道
ふみのが結っていたのは、
角切りにしたさつまいもが入ったおむすび。
しかも大きさも他のと比べると一回り以上も大きい。
「休憩もそんなに長く取れないかなと思って…、
一度に色々詰め込みすぎちゃったかな…っ」
「いえ!そんなことないです!
兄上、きっと喜んでくれます!」
「うん…!
そうしたらもうすぐお昼だし、
杏寿郎と炭治郎くんの分だけ、
今持っていっちゃうね!」
「はい!ありがとうございます!」
ふみのは盆に、二人分の湯呑みと、
結ったばかりのおむすびをのせて庭先へと向かった。
「よし!今日はこの辺で終いにしよう!」
「は、はい!
煉獄さん!今日もありがとうございました!」
「うむ!日々上達しているな!
午後は時透の稽古だろう?」
「はい!そうなんです!
でも、初回で少し…緊張していて…」
「彼は柱の中で最小年だが、
その剣捌きの速さは
宇髄にも匹敵すると言っても過言ではない。
きっと良い鍛錬が受けられるはずだ」
「はい…!俺、頑張ります!」
笑顔で意気込む炭治郎の頭を、
杏寿郎も目を細めながらぽんぽんと撫でた。
「杏寿郎!炭治郎くん!」
「ふみの!」「ふみのさん!」
ふみのは縁側から二人を呼び掛けた。
「今日も稽古お疲れ様。
炭治郎くん、無一郎くんの稽古まで
まだ少し時間があるでしょう?
ちょっとだけど、
良かったら食べていってね」
ふみのは、
結ったばかりのおむすびを炭治郎に差し出した。
「わあ!いただいてもいいんですか!?」
「ええ、もちろん!
足りなかったらまだあるから言ってね!」
「ありがとうございます!いただきます!」
「杏寿郎にも、はい!どうぞ!」
「うむ!ありがとう!」
炭治郎と杏寿郎は
差し出されたおむすびを勢いよく頬張る。
「ん、うまいっ!!!!!」
「うん、とっても美味しいです!!!」
二人の声が台所にいる千寿郎まで
届きそうなほど響き渡った。
「ふふっ、それは良かったわ!
湯呑みもここに置いておくね」
「…!
ふみの、これはもしやさつまいもか?」
「そうなの!杏寿郎、好きかなって思って…!」
「塩加減も丁度いい!
これは絶品だな!毎日食べたいくらいだ!」