火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第23章 思いは光の架け橋へ〈後編〉
その影響により柱の任務は格段に減少し、
日中は稽古兼訓練を行えることになったのだ。
その提案に皆が賛同する中、
やはり義勇だけはそれに加わることはなかった。
皆が何度も義勇を引き止めるも、
心配を余所に何も言わずその場を去ってしまった。
義勇を除く残った柱全員で
どのような訓練内容にするかを話し合っていた。
行冥は引退した天元にも参加を促してみると、
早速鴉を飛ばしていた。
(…柱稽古…)
ふみのは自分に何が出来るのかと
ずっと思い巡らせていた。
それを見た蜜璃がぽんっと手を叩く。
「ふみのさん!
瞑想の訓練など、いかがですか!?」
「!」
蜜璃にそう言われて、
ふみのは自分が瞑想を始めたことで
光の呼吸を使えたことを思い出した。
「瞑想か!それは名案だな!」
「瞑想、良いと思います。
呼吸はもちろん、他においても
一番の基盤になりますしね!」
杏寿郎としのぶもそれに大きく頷いてくれた。
「あ、ありがとうございます!
微力ながら、皆さんのお役に立てるよう頑張ります…!」
一緒に頑張りましょうね!と
蜜璃も意気込むふみのにぐっと拳を握る。
「…しかし一ノ宮。
単に目を瞑り、正座をしているだけでは
意味が無いように思うが」
ぴしゃりと小芭内に言われて、
ふみのは訓練方法について必死に考え込んだ。
そうですねぇ、としのぶも眉を顰める。
「…あ、では鈴を乗せてみては…
いかがでしょうか…!」
「「「 鈴?? 」」」
ふみのの発案に
皆の脳内に疑問符が浮かぶ。
「はい!瞑想中に、
皆さんの頭の上に鈴を乗せてもらって…、
その一点に集中しつつ、
体幹も鍛えていけるのではないかと…!」
「…成程。
では、その鈴を落としたらどうするのだ?」
「え、えと…っ」
小芭内に更に突っ込まれ、
ふみのはどうしようかと思い巡らす。
「うむ!では、鈴が落下する毎に、
屋敷の周りを走り込むはどうだろう!」
「…煉獄らしいな」
杏寿郎が提案すると、
小芭内は納得したように腕を組み直した。
「…出来れば早急に、
皆の訓練内容の詳細を決めたいと思う。
各自決定次第、私に鴉を飛ばすように」
行冥はそう告げ、
柱合会議は幕を閉じた。