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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第22章 思いは光の架け橋へ〈前編〉




ふみのと杏寿郎に
満面の笑みを向ける千寿郎。
槇寿郎は少々照れ臭そうだった。

「きょっ、杏寿郎とふみのさんは
 ゆっくり過ごせたのか!?」

槇寿郎が慌てて話題を変えた。

「はい!お陰様で!
 今日はふみのに習いながら
 夕飯を作りました!
 是非召し上がってください!」

「…!
 兄上、ふみのお姉様、
 食材は足りましたか…!?」

「うん!
 お台所の食材、
 勝手に使ってしまってごめんなさい…」

「いえ!大丈夫ですよ!
 ふみのお姉様と兄上が作ったお料理、
 とっても楽しみです!」

「千寿郎くんには全然及ばないけれど…、
 お口に合ったら嬉しいな…っ」

ふみのは苦笑いをするも、
ふみのの料理は完璧だ!と
杏寿郎は大絶賛だった。

「ほう、杏寿郎が料理とは。
 では温かい内に頂こうか」
「お二人の合作のお料理なんて素敵です!」

杏寿郎とふみのは顔を合わすと
照れ笑いをした。

「そうしましたら、
 槇寿郎様と千寿郎くんは
 居間でお待ちくださいね。
 杏寿郎も先に行って待っててね!」

ふみのは台所に戻ろうとすると
後ろから杏寿郎がついてきた。

「ふみの!俺も料理を運ぼう!」

「! 杏寿郎、ありがとう。
 でも、一人で運べるから平気よ?」

「いや!俺も手伝う!
 ふみのに調理を任せっきりで
 俺は殆ど何もしてないのでな!
 このぐらいはさせて欲しい!」

「そんなことないわ!
 杏寿郎にもたくさん手伝ってもらったもの!
 だから大丈…」

「ふみの!」

「?! ひゃい!」

杏寿郎がぐいっとふみのに詰め寄った。
口角を上げたままじっと見つめられ、
ふみのの顔が瞬く間に赤く染まってゆく。


「きょ、杏寿郎…? どうし…っ」

「俺は少しでも、ふみのの傍にいたい。
 …駄目か?」

「〜〜〜…っ、
 …だ、だめじゃ、ない、です…っ」


うむ!と杏寿郎は嬉しそうに、
ふみのと台所に向かうと
配膳の準備を進めた。





(( ・・・もうこれは、

   完全に新婚夫婦だな…!!! ))



居間に向かう槇寿郎と千寿郎に
二人のやりとりは筒抜けだった。
そして全く同じことを思っていたのだった。



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