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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第22章 思いは光の架け橋へ〈前編〉




「はい!
 しのぶさん、いつもありがとうございます…!」

いえいえとしのぶは微笑み、
他の隊士の様子を見に、診察室を後にした。


「さ、ふみの、帰ろう」

「うん!
 付き添ってくれてありがとう」

「ふみのに何もなくて良かった。
 今日はこの後、ゆっくり休もう。
 先程、千寿郎にも今から帰ると
 要に言付けを頼んでおいた」

「連絡してくれてありがとう。
 杏寿郎にも心配かけてしまって…ごめんね」

「…いや、ふみのがいなければ
 鬼に斬られていたやもしれん。
 俺はふみのにいつも助けられてばかりだ。
 不甲斐ない…」

「ううん。そんなことないわ。
 日輪刀を握れるようになったのも
 杏寿郎に稽古を見てもらっていたからだなって。
 いつも支えてくれてありがとう。
 …私、もっと頑張りたい」

「ああ。でも今は休息が必要だ。
 明日からまた稽古を始めよう」

「うん…!
 またよろしくお願いします!」

さあ、行こうと、杏寿郎はふみのの手を握ると、
蝶屋敷を後にした。





二人が家に着くと、千寿郎と槇寿郎が庭先で
出迎えてくれていた。

「兄上!ふみのお姉様!」

「! 千寿郎くん!」

千寿郎が嬉しそうに二人に駆け寄ってきた。
槇寿郎は眉間に皺を寄せて、
どこか不安気な様子だった。

「良かった…!ご無事で何よりです…っ!」

「何も言わずに、家を出てごめんなさい…」

「いえ!…でもふみのお姉様、
 腕はもう大丈夫なのですか…?」
「無茶をしたのでないか?
 蝶屋敷に寄って来たと要から聞いたので、
 千寿郎と心配をしていたんだ」

槇寿郎が深刻そうな表情で
ふみの達に詰め寄った。

「…父上、申し訳ありませ…」
「し、槇寿郎様!
 杏寿郎が額に傷を負ってしまって…!
 それをしのぶさんに
 診てもらっていたんです!」

「…そうか、
 ふみのさんに何も問題はないんだな?」

「はい!全く!大丈夫です!
 でも、久しぶりの任務だったので、
 今日はもう体を休めて
 稽古も控えるように、とのことで!」

ふみのは槇寿郎に
これ以上心配を掛けたくなかったので、
咄嗟に杏寿郎の言おうとしたことを遮った。

なら良かった、と槇寿郎は
ほっと胸を撫で下ろしていた。

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