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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第20章 お見舞いと花束




「…俺の方こそ、酷いことばかりして
 ふみのさんを、傷つけてしまった…。
 本当に…すまなかった」

槇寿郎は申し訳なそうに
ふみのに謝罪の意を述べた。

「いえ、そんな…!
 私も槇寿郎様のお気持ちを何も考えず、
 無礼なことをしていまい…」

「…いや、俺がどうかしていた。
 …護るべきものは、
 常に目の前にあったのにも関わらず、
 全てのことから背を向け、
 己の弱さから逃げていた。

 何もかも、…放棄していた。

 そして息子を、
 杏寿郎を…救ってくれた。
 ふみのさんには
 どう感謝してもしきれない…っ」

「…私の方が、杏寿郎に助けて貰ってばかりでした。
 槇寿郎様にも、千寿郎くんにも、
 …そして瑠火様にも数え切れないほど、
 救っていただきました。

 煉獄家で皆さんと過ごした時間に…、
 私は沢山支えられていました。

 今の私があるのは、
 煉獄家の皆さんのお陰なのです…っ」

気付くとふみのは泣いていた。
槇寿郎がそっとふみのの肩に手を添えた。

「ふみのさんがいてくれてたから、
 今日、この瞬間(とき)がある。

 また一緒に暮らせることができて
 心から嬉しく思う。

 これからもどうか、宜しく頼む」

槇寿郎はふみのに頭を下げた。

「槇寿郎様…!
 お世話になるのは私の方なのです…っ。
 どうか顔を上げてください…!」

「ふみのお姉様。
 俺からも、感謝をお伝えさせてください。
 兄上を…お守りいただき、
 本当にありがとうございます。
 もうふみのお姉様は
 煉獄家の家族の一員です…!
 これからも一緒に過ごせることが、
 本当に…嬉しいのです…っ!」

「千寿郎の言う通り、
 ふみのさんは煉獄家の一員だ。
 これからも共に、過ごしていこう」

ふみのは嬉しさのあまり、言葉が出なかった。
涙が止めどなく溢れてくる。

ふみのはもう一度頭を下げて、
感謝を伝えた。

「…こんなにも心優しく
 あたたかい煉獄家の皆さんと出会えて、
 そしてまた一緒に暮らせることに、
 なんとお礼をお伝えしたらいいのか、
 分かりません。
 まだまだ未熟者ですが、
 これからも、宜しくお願い致します…っ」

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