火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第20章 お見舞いと花束
「本当に…良かったです。
煉獄さん、いつもふみのさんことを
心配していましたから…」
「他の柱の皆さんにも
ご迷惑をお掛けしてしましました…。
今後は、今自分ができることを
していきたいと…そう思っています」
「少しずつ経過を追っていきましょう。
私もふみのさんの腕の回復の為に
最善を尽くします。
…でも無理は禁物ですよ?」
「はい…!ありがとうございます!」
「それと…煉獄さんのご自宅には
いつ戻られるのですか?」
「今日です…!
一度屋敷に戻ってそれから…」
「…。でもそこの木の枝にいるのは、
煉獄さんの鎹鴉ですよね…?」
「えっ…!?」
ふみのとしのぶは診察室の窓の外を見ると、
確かにそこには要が枝に留まっていた。
「要さん、どうしてここに…!?」
「杏寿郎様ガ、
此処ニ迎エニ、来ルカラデス!」
「え!?屋敷に迎えに行くって
言っていたような…っ」
すると、とんとんと診察室の扉が鳴った。
「胡蝶!失礼する!」
扉が開くや否や、
杏寿郎が元気よく入ってきた。
「…あの、煉獄さん?
入室許可をまだ言っていませんけれど?
もしふみのさんが
着替えていたらどうされるんです?」
「っむ…、それは失念していた」
「もう…。ふみのさんに
早く会いたいお気持ちはわかりますが」
しのぶはふみのの診療録をぱたんと閉じた。
「うむ、ふみの、すまなかった」
「ううん!大丈夫よ。
でも杏寿郎、お迎えは屋敷じゃなかった?」
「ああ、そうだが…、その」
「ふふっ、ふみのさんに
早く会いたかったのでしょう?煉獄さん?」
しのぶにぴたりと言い当てられて
杏寿郎はびくりと肩が揺れた。
「正しく、胡蝶の言う通りだな!
ふみの、
父上も千寿郎も首を長くして待っているぞ!」
「うん!
しのぶさん、
今日もありがとうございました…!」
「どういたしまして。
また刀鍛冶の里に行く前にいらしてくださいね」
「はい!またお伺い致します」
「ふみの、荷物は俺が持とう」
「ありがとう。でも大丈夫よ。
この手提げ一つだけだから!」
「…その手提げを持つ手を、
俺が握りたいのだが…、構わないか?」
「〜〜〜…っ!」