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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第20章 お見舞いと花束




「いえ…っ、どんな時でも、
 ふみの様のお傍にいて、
 お守りしなければならなかったのに…。
 そうできなかったことが、悔しくて」

薫子は手の甲で涙を拭うと、
熱い瞳をふみのに向けた。


「…ですが、
 例え、剣士のような剣術がなくても、
 同じ土俵に立つことができなくても…、

 …私は、これからもずっと、
 ふみの様をお支え致します。

 炎柱様に負けないくらい、
 私は精一杯、ふみの様を
 お守りして参りたいと、思っております…っ」

「…!!」


ふみのは薫子がこんなにも
自分に想い尽くしてくれていることに
目の前が涙で滲んだ。

ふみのは薫子を片腕で
力強く抱きしめた。

「薫子さん…っ、
 私はいつも薫子さんから
 たくさん守られているのよ。

 いつも…、いつも本当にありがとう…!」

薫子も涙を溢れさせながら
ふみのの着物の裾を
ぎゅっと握りしめた。


「…ふみの様、あ、あの…」

「…ん?」


ふみのは薫子から顔を離すと
濡れた目元を拭いてあげた。

「…厚かましいお願いだと
 重々承知しているのですが…っ、
 その…また、ふみの様のお料理を、
 いただきたいと、思って、おります…」

躊躇いつつ少し恥ずかしそうに話す薫子に、
ふみのはとびきり笑顔になった。

「もちろん!
 薫子さんの好きなもの、たくさん作るわね!!」

その言葉に、薫子の目元がにっこりと笑った。

杏寿郎も微笑ましそうに、
ふみのと薫子を見つめていた。





その後、杏寿郎が淹れてくれた茶を
縁側で三人は飲みながら今後の話しをしていた。


「薫子さん、あの、私…、
 この屋敷を出て、その…」

「炎柱様のお住まいに、行かれるのでしょう?」

「…!!」

「ふみの様のお身体のこともありますし、
 きっとその方が、良いと思われます」

「薫子さんには、何でも分かってしまうのね…。
 …そうしても、構わないかしら…?」

「はい、勿論です。
 ですが、ふみの様が光柱である以上、
 私も専属の隠として
 今後も継続して、務めさせて頂きます」

薫子はそうピシャリとふみのに言い放った。

「はい!いつも、本当にありがとう!薫子さん!」

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