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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第19章 目覚めたその視線の先に ˖☽°.*




「…ふみの。
 ふみのが謝ることなど、何も無い。

 ふみのが傍にいてくれたからこそ、
 俺は今を…この瞬間(とき)を生きている。

 ふみのは、俺の命の恩人だ。
 どう礼の言葉を伝えればいいのか…。

 …本当に…本当に、ありがとう…っ」


杏寿郎が一段と力を込めて、ふみのを抱きしめた。


どれほど、そうしていただろうか。

ふみのは泣き腫らした瞳のまま
ゆっくりと顔を上げると杏寿郎の瞳と重なった。

杏寿郎は、まだ少し濡れたふみのの頬を撫で、
もう片方の手で自分の胸元に添えられた
ふみのの手をぎゅっと握った。


「…ふみの。
 俺は決して、この手を離さない。

 この先も、何があろうとも、
 ずっと一緒だ、ふみの。

 これからもずっと…俺の傍にいて欲しい」


ふみのの視界をあたたかい涙が纏い、
心から愛する杏寿郎へ、
今まで何度も伝えた言葉が溢れ出す。


「…私も、杏寿郎が好き…、大好き…っ。
 杏寿郎と…ずっと…ずっと、一緒にいたい…っ!」

「ああ、俺もふみのが好きだ。

 …此処でふみのに誓う。
 愛しているんだ。
 こんなにも、ふみののことを。

 この想いは…永遠だ」

「…! 杏寿郎っ…!」


杏寿郎とふみのの唇が
互いを求めるように重なり合う。

今まで、どれほど、この温もりを求めていただろう。

二人は想う。



愛おしくて 愛おしくて 堪らない

この世界で 巡り会えた
たった一人の かけがえのない 愛する人



何度も角度を変えながら、二人は熱い口付けを交わす。

杏寿郎はふみのの頭部を支えながら、
そのままゆっくりと床に押し倒した。

ふみのの口内を杏寿郎の厚い舌が這う。

ふみのも必死にそれを追い、舌を絡める。

二人の熱は更に灼熱と化す。
杏寿郎は、ふみのの口元から舌を滑らし、
ふみのの首筋へとゆったりと伝ってゆく。

「っん……ぁ、」

ぞわりと身震いするふみのから漏れる甘い疼き。
杏寿郎ははっとして顔を上げて、
頬が紅潮したふみのを見下ろした。
杏寿郎はその潤んだ瞳を見て、
ふみのが肩の痛みを我慢しているのでないかと焦った。

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