火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第3章 生き残った一人の少女
「ふみのさん、ごめんなさい。
杏寿郎、気持ちはわかりますが、もう少し静かに。
ふみのさんが驚いてしまいますよ」
「よもや!それは失礼した!」
ぱちっとふみのと杏寿郎の目が合った。
謝る杏寿郎だったが、その表情は溌剌としていた。
そんな杏寿郎を見て、
ふみのはくすっと笑った。
「……っ!」
杏寿郎は手の動きを止め、
可笑しそうにしているふみのの笑顔に釘付けになった。
(…なんて可愛らしい笑顔なんだろう…)
箸を止めたまま、ふみのに目を向けている杏寿郎に
瑠火も口元を隠して笑う。
(杏寿郎の反応は本当に分かりやすいですね)
杏寿郎は、自分に芽生え始めた気持ちに気付かず、
お茶碗をただ勢いよくかき込んだ。