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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第18章 無限列車




キィと木箱が開いて禰󠄀豆子が出てくると、
ふみのの傍にひょこひょこと寄ってきた。

「禰󠄀豆子、ふみのさんが直してくれたぞ!
 良かったなあ!」

炭治郎が禰󠄀豆子に着物を見せると
嬉しそうにそれを掴み笑ったので、
ふみのは別室で着替えさせてあげた。

「うん!やっぱり禰󠄀豆子ちゃんは
 桃色が似合うわね」

禰󠄀豆子は、むー!と手を広げて、
ふみのに嬉しそうに抱きついた。



「では、任務に行って参ります!」

門の前でふみのは炭治郎達を見送った。

「本当に気をつけてね」

「ありがとうございます!
 柱の煉獄さんともご一緒する予定なんです!
 足手まといにならないよう、頑張ります!」

「…え…?杏寿郎と…?」

ふみのは炭治郎を見たまま固まる。

「…? はい!そうなんです!
 現地で合流することになっていて…」

(……あれ?
 ふみのさんから、またあの匂いがする…!
 蝶屋敷で嗅いだのと同じ、切ない匂い…。
 あと心配する匂いも…。

 ……もしかして、ふみのさんの
 好きな人って、煉獄さん…?!)

「…そっか…」

ふみのの目が一瞬揺らいだ。

「…?ふみのさん…?」

「ご、ごめんね!
 なんかぼうっとしちゃった…!

 ……炭治郎くん、
 一つお願いを、頼んでもいいかしら…?」

「はい!何でしょう?」

ふみのは着物の懐から
小紫色の御守りを取り出した。

「…これを杏寿郎に渡してくれる?」

それはふみのが最終選別に行く前に
杏寿郎から貰った御守りだった。

「御守り…ですか?」

「うん。
 …杏寿郎にも無理はしないようにって」

「はい!分かりました!
 お伝えします!
 包帯と手拭いもありがとうございました!」

「ううん!
 皆も気をつけてね」

「では行ってきます!」

炭治郎は笑顔でふみのに手を振った。

「ああっふみのさああん!!」
「ほら!善逸!行くよ!」
「オイ!!ノロノロ歩いてんじゃねーぞ!!」
「いやあああ〜〜っ!」

善逸は炭治郎と伊之助に引きずられるようにして
道を進んでいった。

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