火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第17章 柱合会議と光を継ぐ者
「なんだそのムゲンレッシャってのはッ?!
食えんのか!?」
終始落ち着きがなく、
部屋中を駆けずり回っているのは
同じく炭治郎の同期の嘴平伊之助だ。
猪の被り物をしているのでその表情はよく分からない。
「バカ!列車だよ列車!
食べられるわけないだろ!」
善逸は呆れ半分に伊之助を見た。
「ンなこと知るわけねーだろーがッ!紋逸ッ!」
伊之助は善逸に襲いかかり、
飛び蹴りをしていた。
善逸の悲鳴が部屋に響く。
禰󠄀豆子は目が点になったまま、その二人を見ていた。
「でも、炎柱の“煉獄杏寿郎”さんとも
合流することになっているし!」
炭治郎は任務の詳細が書かれた紙切れを眺めた。
「イデデ…、
てか、どんな人?その煉獄さんって人…」
「うーん…、俺も本部で見ただけだから、
いまいち詳細は分からないんだけど…。
あ!そうだ!明日蝶屋敷を出た後、
ふみのさんのところに寄ってもいいかな?」
「…ふみのさん?誰だよ、その人」
食えんのか!とまたもや興味津々な伊之助に、
バカ!人だよ人!と善逸がつっこんだ。
「柱の人で、禰󠄀豆子の着物を直してもらっているんだ。
それを受け取りたくて!」
「へーい、了解〜。
ああああ〜〜っ、
ヤダなあああっ、明日の任務〜〜…」
茹だるように善逸は布団に転がり、
そのまま寝てしまった。
「俺様はもう完ッ璧に復活してるぜ!!
トン次郎!!明日に備えて腹筋でもしてやる!!」
伊之助は布団の上で腹筋を始めていた。
「禰󠄀豆子、また明日から任務だ。もう休もう」
禰󠄀豆子はこくんと頷くと
炭治郎の布団に入った。
禰󠄀豆子は明け方になると
自分で木箱に戻っていくのだ。
「伊之助も、もう寝よう?」
「ハア?!ざっけんな!!
俺様は寝なくてもヨユーだぜ!!」
「…ハイハイ。みんなお休み」
伊之助を除き、炭治郎達は眠りについた。