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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第17章 柱合会議と光を継ぐ者




ふみのは
下弦の鬼との争闘を振り返った。

鬼からあの夜のことを知った瞬間、
今まで感じたこともない憎悪と怒りが湧き上がり、
ふみのは我を見失いかけた。

その途端に、
日輪刀は鉛のように重くなり、
ふみのは我に返ったのだ。

ふと、ふみのは思う。



 光の呼吸が───、
 本来の私に戻そうとしてくれていた…?



果たして、
光の呼吸の真相はとは、何なのか。

呼吸に潜む謎とは一体─────





翌朝、ふみのが目を覚ますと、
薫子は既に居らず、客室の布団は
綺麗に畳まれていた。

その布団の上には
薫子からの手紙が置いてあった。

ふみのの料理が美味しかったこと、
今度お礼に食事を作りたいと綴られていた。

その手紙にふみのは綻ぶと、
棚にしまった。


ふみのは禰󠄀豆子に渡す着物を用意していた。

箪笥から着物を出していると、
母・みちの桃色の着物が目に止まった。

今も当時のままの手触りが残り、
ほのかにみちの懐かしい香りもしてくるようだった。

(かあさま…)

みちのぬくもりを感じることは、もうできない。
今も、鮮明に残る母の声と優しい笑顔。

あたたかい手で、何度も抱きしめてくれた。

(…かあさま、いつも一緒だよね。
 私、頑張るからね)

みちの着物をふみのはぎゅっと抱きしめ、
そっと箪笥の奥にしまった。


ふみのは数枚の着物を持ち、
蝶屋敷に向かった。





ふみのは山吹色の着物を禰󠄀豆子に着させていた。

「うん!
 禰󠄀豆子ちゃんは何を着ても似合うわ!
 小さい時は少し引きずってしまうけど、
 大きくなったときは丁度いいはず…!」

ふみのの着物を着た禰󠄀豆子は腕を広げて
嬉しそうに眺め、くるくる走り回っていた。

「良かったなあ!禰󠄀豆子!」

炭治郎も嬉しそうにする禰󠄀豆子を見て、
笑みが溢れていた。

「ふみのさん、本当にありがとうございます!
 色々お気遣いいただいて、すみません…」

「ううん、禰󠄀豆子ちゃんの着物は
 少しだけ預からせてもらうね」

「はい、本当にありがとうございます。
 …あ、そうだ!ふみのさんは
 何の呼吸を使われているのですか?」

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