火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第17章 柱合会議と光を継ぐ者
「そっか、禰󠄀豆子ちゃんは箱に合わせて
小さくなれるのね。すごいわ。
ふふ、綺麗な桜色の瞳なのねえ」
可愛らしい幼い禰󠄀豆子を見て、
ふみのはよしのを思い出した。
禰󠄀豆子は頭を撫でられるのが好きなようで、
終始笑顔だった。
そのままふみのの首筋に顔を埋めるように
さらに抱きついてきた。
「ね、禰󠄀豆子ったら…っ!」
「ふふふ、炭治郎くん平気よ。
禰󠄀豆子ちゃんはきっと
美人さんになるわね。
…私にもね、兄弟がいたの」
「そう…だったんですか」
(…ふみのさんから悲しい匂いがする…。
もしかして、俺と同じように鬼に家族を…っ)
「…でもある日、一族全員を
鬼に殺されてしまって…」
「…っ。
…俺も鬼に、家族を殺されました。
でも唯一生き残ったのが禰󠄀豆子で…。
どうしても、人間に戻してあげたくて
剣士になったんです」
「さっき本部でも言っていたよね。
私も人間になった禰󠄀豆子ちゃんと
お話してみたいな」
ふみのは、ねっと禰󠄀豆子の目を見ると
禰󠄀豆子もふみのの頭を撫でてくれた。
「禰󠄀豆子ちゃんは優しいのねえ。
きっとおお兄さんの炭治郎くん譲りね。
明日着物を持ってくるから、
もう少し待っててね」
禰󠄀豆子は嬉しそうに微笑むと
またふみのに抱きついた。
「本当、何から何まで…すみません」
「ううん、気にしないで。
…私が炭治郎くんの立場なら
同じことをしていると思う」
「同じこと…?」
「うん、鬼になった家族がいたら
私も人間に戻してあげたいって、思うもの。
…どこかにその方法があるって信じたい」
「…きっとあります。
俺…禰󠄀豆子を絶対人間に戻してみせます」
「うん…!
…ごめんなさい、長居をしてしまって。
任務で疲れているのに…。
今日炭治郎くんと話せて良かったわ」
「いえ!俺もふみのさんにお会いできて
嬉しかったです!」
「ふふ、私も。
じゃあまた明日ね」
「はい!また明日です!」
お大事にねとふみのは
その部屋を後にした。