火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第17章 柱合会議と光を継ぐ者
「ああ、竈門さんと妹さんなら
こちらのお部屋です!」
アオイはテキパキと部屋まで案内してくれた。
ふみのはアオイに礼を伝えると、
その部屋の扉を叩いた。
「突然すみません、
一ノ宮ふみのといいます。
今…大丈夫ですか?」
「あ…っはい!お待ちください!」
先程の炭治郎の声が聞こえ、扉が開いた。
「初めまして、竈門炭治郎くん。
一ノ宮ふみのといいます。
今、お時間大丈夫ですか?」
「あっはいっ!どうぞ!」
炭治郎は緊張しつつも、
不思議そうにふみのを見た。
(…確かさっき、本部にいた柱の人だ…。
こんな俺なんかに何の用だろう…?)
「突然押しかけてごめんなさい。
怪我は大丈夫…?」
「はい!しばらく安静が必要ですが、
完治したらすぐに復帰して
また任務、頑張ります!」
屈託のない炭治郎の笑顔は
ふみのの心を照らすようだった。
「無理はくれぐれもしないでね。
…妹さん…、禰󠄀豆子さんも大丈夫…?」
「はい!禰󠄀豆子も大丈夫です!
…さっきは生きた心地がしませんでしたが…。
でも傷ももう治っているので!」
「そう、良かったわ。
禰󠄀豆子さんの着物は平気…?
もしよかったら、
私が昔着ていたものがあるの。
今着ている着物を直している間、
私のを着てもらうのはどうかなって…」
「ええっそんな!全然大丈夫ですよ!
俺も少しは裁縫できますし!」
ふみのと炭治郎が話をしていると
禰󠄀豆子の木箱がゆっくりと開いた。
ひょこっと禰󠄀豆子が目元を覗かせた。
「あ、禰󠄀豆子!
こちらは柱のふみのさん!」
しばらく様子を伺うように
じっとふみのを見ていた禰󠄀豆子は
その木箱から出てくると小さい姿のまま
ふみのの足元に抱きついた。
「こ、こら!禰󠄀豆子!
急にそんなことしたら…っ!」
ふみのは禰󠄀豆子の視線に合わせるように
腰を下ろし、禰󠄀豆子の頭を優しく撫でた。
禰󠄀豆子の着物を見てみると
襟元が血で染まり、数カ所ほど切れていた。
「ううん、大丈夫よ。
初めまして。
禰󠄀豆子ちゃん…と呼んでもいいかしら?」
その問いかけに、禰󠄀豆子は
小さくこくこくと頷いた。